外国人旅行者の増加にともない、民泊経営は注目のビジネスとなっています。しかし、成功を収めるには、綿密な計画と確実な運営が必要で、多くの人々が民泊経営で失敗しています。この記事では、民泊経営で失敗しやすいポイントを紹介します。また、回避できるコツも同時に解説しているので、民泊運営の参考にしてください。
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運営前の準備不足
民泊運営に興味があり、始めてみたいと考える方も多いでしょう。しかし、しっかりと運営できなければ赤字に転落し、初期投資すら回収できずに大損することになります。失敗の多くは、運営前の準備不足によるものです。ここでは、運営の準備段階で注意すべきポイントを詳しく解説します。
収支計画が甘い
事業を開始する前に、売上に対して、どれだけの経費が発生するかをしっかりと計算しておくことが重要です。とくに、民泊新法の180日ルールに対する認識不足が原因で、失敗するケースが目立ちます。
この法律により、営業は年間180日間に制限されているため、年間で平均すると毎月15日しか宿泊を受け付けられません。そのため、15日間の売上で毎月の家賃やランニングコストを稼ぎ出さなければなりません。この制限を知らずに運営を開始してしまうと、失敗してしまう可能性が高いです。
初期投資が多すぎる
家具や家電に過剰投資することも、失敗の原因です。運営の初期段階では知名度がないため、高価な家具や家電を揃えても、旅行者に選んでもらえないでしょう。その結果、初期投資を回収できずに運営をあきらめるケースが多いです。まずはお買い得な料金で買える、見栄えがいい商品を選んで導入しましょう。
家賃が高い
家賃が高い物件を選ぶことも、失敗のリスクを高めます。自分の持ち家で営業する場合は問題ありませんが、賃貸物件の場合、民泊が可能な物件が限られています。
そのため、不動産会社が相場の1.3倍から1.5倍ほどの家賃を要求する傾向にあります。毎月の家賃は固定費として必ず発生するため、しっかり回収できる物件を選ばなければなりません。
立地が悪い
立地選びも重要な要素です。迷いやすい場所や、駅から遠い場合、利用者は減ってしまいます。初めて民泊用物件を選ぶ際は、駅から徒歩15分以内の場所を選びましょう。また、予約が入りやすいエリアを選ぶことが重要です。
東京都内であれば、観光スポットが近い物件は予約が入りやすいです。地方の場合は、観光地の近くや海が見えるオーシャンビューなどがよいでしょう。立地次第で稼働率は大きく変わるため、妥協しないことが大切です。
運営力不足
民泊運営において成功するためには、運営の力が欠かせません。運営力が不足していると、たとえすぐれた物件や立地条件でも失敗する可能性があります。
コスト管理が足りない
ランニングコストの管理が不十分なケースが多く見られます。民泊運営には物件の借入や購入費用、家具や家電の購入費、月々のWi-Fi費用など、さまざまな経費が発生します。これらの費用が多すぎると、いくら売上を上げても利益につながりにくくなるでしょう。
光熱費や洗面所のアメニティ、その他の備品の購入も当然オーナー側負担です。毎月の収支を一目で把握できるように、管理ソフトなどでしっかりと把握することが重要です。
代行業者の費用が高い
民泊運営代行会社へ支払う費用が高いことも、失敗の原因です。運営代行費用は毎月発生するランニングコストの一部であり、お得でない業者の選択や、プラン選びを間違えると大きな負担となります。
完全に委託する場合の相場は10万円前後、部分的な委託でも約5万円かかるのが一般的です。民泊運営代行手数料の見直しや、プランの変更、自分で対応できる部分をのぞき部分委託に移行することで、ランニングコストを抑えられるでしょう。
集客力不足
民泊経営で失敗する大きな原因のひとつが集客力不足です。施設が利用者のニーズに合っておらず、魅力的ではない場合は十分な集客ができずに経営が成り立たなくなります。ここでは、集客力不足の原因とその回避策について詳しく解説します。
宿泊費が高い
宿泊費が相場より高すぎると、失敗しやすいです。民泊を始めたばかりのレビューが少ない状態で高い値段を設定したら、同じ価格帯の有名競合他社に客を奪われてしまうでしょう。学生や社会人を問わず、少しでも安い宿泊施設を探している層は多く存在します。
スタート時に宿泊単価を高く設定しすぎると予約が入りにくくなり、稼働率が低下します。よって、初期段階ではレビューを稼ぐために最安値で運営しましょう。
ときには赤字覚悟で集客に徹することも必要です。少なくとも星5のレビューを3つ集めることを目標にし、その後で少しずつ宿泊単価を上げていく戦略が効果的です。
ニーズと施設が合っていない
ターゲット層を明確に設定せずに物件を選んだり、宿泊価格を決定したりすると、ニーズに合わない民泊になってしまいます。学生向けの民泊であれば、格安で最低限の宿泊環境を提供することが求められるでしょう。
一方、外国人観光客向けであれば、和の雰囲気を重視し、一生の思い出に残るような宿泊体験を提供することが重要です。自分の予算や物件の特性、立地などに応じて、ターゲット層を意識した営業が必要です。
まとめ
民泊経営で成功するためには、事前の詳細な計画と、慎重な運営が求められます。失敗の共通点として挙げられるのは、準備不足や収支計算の誤り、ターゲット設定ミス、そして運営力不足です。これらを回避するためには、しっかりした事前調査とターゲット設定、適切な価格設定とコスト管理などが必要です。綿密な計画と戦略をベースに、シビアなコスト意識で挑むことで、民泊経営を成功に近づけられるでしょう。